特定個人情報の提供ができる場合

特定個人情報を提供できる場合として、マイナンバー法第19条で事業者が関わるものは、次のとおりである。

 

  • 個人番号利用事務実施者からの提供

 個人番号利用事務実施者が、個人番号利用事務を処理するために、必要な限度で本人、代理人や個人番号関係事務実施者に特定個人情報を提供することができる。

 たとえば、市区町村長(個人番号利用事務実施者)は、住民税を徴収(個人番号利用事務)するために、事業者に対して従業員の個人番号と共に特別徴収税額を通知することができる。

 

  • 個人番号関係事務実施者からの提供

 個人番号関係事務実施者は個人番号関係事務を処理するために、法令にもとづいて、行政機関や健康保険組合などに特定個人情報を提供することとなる。

 たとえば、個人番号関係事務実施者である会社は、所得税法に従って、給与所得の源泉徴収票の提出という個人番号関係事務を処理するために、従業員などの個人番号が記載された給与所得の源泉徴収票を2通作成し、1通を税務署長に提出し、もう1通を本人に交付する。

 事業者の従業員(個人番号関係事務実施者)は、扶養控除等申告書の提出という個人番号関係事務を処理するために、事業者(個人番号関係事務実施者)に対して、扶養親族の個人番号を記載した扶養控除等申告書を提出することとなる。

 

  • 本人または代理人からの提供

 本人またはその代理人は、個人番号関係事務実施者または個人番号利用事務実施者に対し、本人の個人番号を含む特定個人情報を提供することとなる。

 本人は、給与の源泉徴収事務、健康保険や厚生年金保険の届出事務などのために、個人番号関係事務実施者である事業者に対し、自己(または扶養親族)の個人番号を書類に記載して提出することとなる。

 

  • 委託や合併に伴う特定個人情報の提供

 特定個人情報の取扱いの全部もしくは一部を委託したり、会社合併などで事業の承継が行われたときは、特定個人情報を提供することが認められている。

 事業者が、源泉徴収票の作成事務を含む給与事務を子会社に委託する場合、その子会社に対して従業員の個人番号を含む給与情報を提供することができる。

 たとえば、A社がB社を吸収合併した場合、吸収されるB社は、その従業員などの個人番号を含む給与情報などを存続するA社に提供できる。

 

  • 情報提供ネットワークシステムを通じた提供

 行政機関や健康保険組合などの間では、情報提供ネットワークシステムというコンピュータシステムを使用して特定個人情報の提供を行える。しかし、健康保険組合以外の事業者は、情報提供ネットワークシステムを使用することはできない。

 

  • 特定個人情報保護委員会からの提供の求め

 特定個人情報保護委員会が、特定個人情報の取扱いに関して、特定個人情報の提供を求めた場合には、事業者はこの求めに応じなければならない。

 

  • 各議院審査などその他公益上の必要があるときの提供

 そのほかに特定個人情報を提供できるのは次のような場合である。「各議院の審査、調査の手続き」「訴訟手続きその他の裁判所における手続き」「裁判の執行」「刑事事件の捜査」「租税に関する法律の規定にもとづく犯則事件の調査」「会計検査院の検査が行われるとき」など。

 また、次の公益上の必要があるときにも提供する。公益上の必要はマイナンバー法施行令第26条で定められており、「独占禁止法」の規定による犯則事件の調査、「金融商品取引法」の規定による犯則事件の調査、租税調査、個人情報保護法の規定による報告徴収、「ゲートキーパー法」(「犯罪による収益の移転防止に関する法律」)の規定による届け出などがある。

 

  • 人の生命、身体または財産の保護のための提供

 人の生命、身体または財産の保護のために必要がある場合において、本人の同意がある、または本人の同意を得ることが困難であるときは、特定個人情報を提供することができる。

 客が小売店で個人番号カードを落とした場合、その小売店は警察に遺失物として個人番号カードを届け出ることができる。

 

(※ 平成27年11月時点で執筆しております。その後の法改正にご留意ください。)

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