【経営トラブル110番】 6ページ「悪質クレーマーにはどう対処すればよい?」

私は飲食店を経営しています。このところ人手不足でサービスが手薄になりつつあります。そのすきを突くかのように、先日あるお客様から言いがかりのようなクレームを受け、大声で怒鳴られました。こうした悪質なクレーマーにはどう対処すればよいのでしょう?

まずは、悪質クレーマーは何を狙っているのかを理解しましょう。次のような流れになるケースが多いと思われます。

1.店側に非があることを主張し、謝罪させる

2.謝られても怒りが収まらないことを強調。怒鳴り続けて店側を困惑させる

3.他のお客様が大勢いることもあり、店側は困り果てる。そこで店側に「どうしてくれる!」と迅速な対応を求め、追い打ちを掛ける

4.店側を追い込み「お詫びのしるしにこちらを」と金品を出させる解決策を店側から提案するよう仕向ける

クレーマーの会話ペースにはまらない2つの対応方法

悪質クレームに適切に対応するためには、焦らないことです。恐れることなく冷静に、毅然とした態度で解決するスタンスを相手に示しましょう。常識の範囲内で、店側が可能なお詫びを提案し、それ以上を要求されても絶対に応じない、という心構えを見せることが大事です。

対応する際は、悪質クレーマーのペースにはまってはいけません。クレーマーに会話の主導権を握らせないために、次の2つの対応方法を活用しましょう。

対応方法1.沈黙

「申し訳ございません」「はい」というように、最低限の応答だけをして、あとは沈黙を続けます。

一人で怒鳴って店員をいじめているように周囲からは見えるので、クレーマーは店内にいづらくなるでしょう。

対応方法2.オウム返し

「だからどうしてくれるんだ!」と言われたら「『だからどうしてくれるんだ!』とおっしゃっているんですね」という具合に、クレーマーの話をひたすらオウム返しします。時間がかかる割に話が進展せず、クレーマーはやる気をなくします。

また、クレーマーの脅しに屈しないためには、法律の知識を体得しておきましょう。下の別項に記した行為が違法行為となることを知っておけば、怖がる必要はありません。「警察に通報します」という姿勢を見せれば、悪質クレーマーは退散するでしょう。

違法行為となる悪質なクレーム

 ・店内でスタッフの制止に従わず、大声を出し続けた→威力業務妨害(刑法234条)

 ・謝罪の姿勢を示し、常識の範囲内の賠償を提案しているにもかかわらず、しつこく「どうしてくれるんだ!」と迫り続けた→脅迫罪(刑法222条)

 ・「金を出せば許してやる」と言って、金銭の受け取りが成立した→恐喝罪(刑法249条)

 ・「金を出せば許してやる」と言ったが、実際に金銭の受け取りに至らず、要求したにとどまった→恐喝未遂罪(刑法250条)

 ・強引に土下座させたり、謝罪文を書かせた→強要罪(刑法223条)

 ・「どうぞお引き取りください」と伝えたものの、居座り続けた→不退去罪(刑法130条)

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