【経営トラブル110番】 6ページ 「新規事業に着手したものの、事業が頓挫し支払いを受けられなくなった!」

ある遠方の企業からの仕事を受注しました。事業展開の方向性をすり合わせるために、5回くらい出張して打ち合わせを重ね、予備調査のために自己資金を持ち出しました。しかし、結局事業が頓挫して見送られ、支払いを受けられなくなりました。どうすればいいのでしょう?

今回のケースは、仕事を請け負うときにすべて口約束だったと推測されます。しかし、口約束だけで仕事を進めてはいけません。たとえ口頭ベースで進んだ話だとしても、打ち合わせで話し合われた内容について「議事録」と称して書面に残し、メールやFAX等で先方に送ることが大事です。そうするだけでも、仕事の内容を証明できるでしょう。

起業したばかりのころは、どうしても仕事を受注したいがために、「支払いは後でいいです」と言ってしまいがちになります。しかし、起業時は皆、お金がありません。だからこそ、お金に関してはきっちりと決めておく必要があります。人によってはなかなか言い出しにくいことかもしれませんが、ビジネスを行う上で重要です。最低限、実費分は請求できるように、話を切り出しておけばよかったかもしれません。

また、起業時にありかちなのは、自分のサービスの料金表がしっかり決まっていないために、請負価格が言い値になってしまい、結果的に安価で引き受けてしまうことです。しかも、入金までのサイトが長く、その間に持ち出しが出る一方で、起業当初から資金繰りがタイトになってしまう場合も珍しくありません。

 起業時こそ料金表の作成が必須

起業時のように資金繰りが厳しいときこそ、サービス内容について料金表を作成しておきましょう。そして、その料金表をもとに価格交渉を進め、報酬の一部を手付金として先にもらうなど、少しでも持ち出しを少なくできるよう、工夫しましょう。

資金が潤沢ではない起業時は、仕事を請け負う際、入金までのサイトも気にかけましょう。一般的に金額が大きい仕事になるほど、サイトが長期化する傾向にあります。なので、起業時は入金サイトの短期化を交渉したり、すぐ入金になる仕事を増やすなど、資金繰りを念頭に置くことが大切なのです。

【ポイント】

・口約束だけのビジネスは危険。打ち合わせ内容は「議事録」として先方に送ること

・自社の商品・サービスについて料金表を用意しよう

・入金までのサイトにも注意。サイトの短期化を交渉したり、すぐ入金になる仕事を増やすなど工夫しよう

 

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