【税務・会計ラウンジ】 2ページ 「老朽化した工場の移転は平成28年3月末までに行ったほうがいい?」
平成28年4月1日以降取得する建物付属設備並びに構築物について減価償却の方法が定率法から定額法に変更されます。そうなると「来期に予定していた老朽化した工場の移転を前倒しして28年3月末までに行ったほうがいい?」と考える社長さんもいるのでは。実際のところはどうなのでしょう?
機械の移設に係る費用は全額損金算入可能か?
上記の通り老朽化した工場の移転に伴い、機械装置を移転するための支出が発生します。この支出を今期の損金として処理することはできるでしょうか。
機械装置の移転に伴う支出の処理については基本通達7-3-12に定められています。すなわち「集中生産又はよりよい立地条件において生産を行う等のため」の移転費は、その機械装置の取得価額に算入します。
今回の例からは、移転の目的が集中生産又はよりよい立地条件において生産を行うことであることは明らかではありません。しかし、工場の移転は会社にとって多額の支出を伴う重要な意思決定であり、現状と比べて生産効率の改善あるいは長期的な経費の削減等の具体的な試算が行われていると考えるのが一般的です。そのため今回の工場移転に伴う機械装置の移転費は、移転直前の当該機械の取得原価に算入すべきと考えます。
ただし、移設費の合計額が当該機械装置の移設直前の帳簿価額の10%に相当する金額以下であるときは、旧据付費に相当する金額を損金の額に算入しないで、当該移設費の額をその移設をした日の属する事業年度の損金の額に算入することができます。
賃借中の機械装置の移設費用の取扱は?
今回の類似事例として、賃借中の機械装置を移設する場合の移設費の取扱については、国税不服審判所の裁決事例があります。この事例では、所有する機械装置を移設する場合の移設費は、取得価額に算入することが相当であると考えれば、賃借中の機械を移設したことに伴い要した費用は繰延資産に該当し、効果の及ぶ期間に対応して費用の配分を行うことが妥当だと判断されました。
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