【経営トラブル110番】 6ページ 量産終了後の金型を、発注先からずっと無償で保管・管理させられている!

長年の取引先から、量産終了後から5年以上経った製品の金型を、ずっと保管・管理させられています。コストもかかるので廃棄していいか確認しても「いつ発注するかわからないから、とりあえず保管しておいて」と、取り合ってくれません。しかも管理コストは当社が負担。どうすればいいのでしょう。

「長期にわたり使用されない型(金型、木型など)を無償で保管・管理させられている」
「当初想定していない、保管に伴うメンテナンス等を強いられている」
「発注者が、型の廃棄申請に応諾してくれない。または明確な返答がない」
「発注者が、型の廃棄申請に応諾したものの、廃棄費用を支払ってくれない」
 以上のように、量産後の補給品を支給するため、発注者が長期にわたって使用されない型を無償で保管させる等、受注者の利益を不当に害することは、下請法(下請代金支払遅延等防止法)や独占禁止法に違反する恐れがあります。

量産終了後の型を一定期間を超えて無償で保管しない

 対応の方向性としては、量産終了後の型を、一定期間を超過して無償で保管することのないようにすることです。
 まずは量産終了後の取引条件の改善に着手しましょう。
 量産終了から一定期間が経過した型について、保管に必要なコストを発注者が負担するか、引き取りまたは破棄を要請しましょう。量産が終了した補給品の単価を、量産時とは異なる条件を勘案しながら合理的に設定するのもひとつの手です。
 具体的なノウハウは以下になります。
・量産終了から一定期間経過後、型を廃棄する等のルールを決め、そのルールをもとに受注者から型の廃棄申請書を提出する旨を契約書に記載する
・日本鋳造協会が作成した「鋳物用貸与模型の取り扱いに関する覚書」を活用して、発注者が型の保管費用を負担するよう決める
・量産終了後、速やかにその旨を発注者に知らせてもらい、補給品価格を再設定することを見積書や契約書に明記する
・補給品支給期間や打ち切り対象とする基準(例:「量産終了後3年を経過した段階」「受注が一定数を下回った」)を書面で定める
 型の保管・廃棄に関するルールを着実に実行するためには、議事録や契約書等の書面に取り決めた内容を残すことが重要です。万一、トラブルが発生したときに役立ちます。

point
● 発注者が長期にわたり使用しない型を、受注者に無償で保管させるのは、下請法や独占禁止法に違反する恐れがある
● 型の廃棄や引き取りの基準、手続き方法を定め、取り決めたルールや交渉経緯を書面に残す

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