【税務・会計ラウンジ】 2ページ 確定拠出年金とその税制とは?
日本の年金制度は「三階建て」の仕組みになっています。一階部分が日本に住むすべての人を対象とした「国民年金」、二階部分が民間企業などで働く人を対象にした「厚生年金」です。一般的に一・二階部分を「公的年金」と称します。そして三階部分が「私的年金」です。そのうち、企業年金は企業が独自に実施・運営している年金で、公的年金を補完する役割を担っています。8月号で「個人型確定拠出年金の適用範囲拡大」について取り上げましたが、今回は「確定拠出年金」の概要について、解説していきます。
確定拠出年金は、企業年金のひとつとして位置付けられています。毎月の掛金を自分で運用しながら年金資産を積み立てていく制度のため、どのように運用していくかによって将来の受取額が変わってきます。
積み立てられた年金資産は、個人ごとに設定された専用口座で管理され、「いま資産がどのくらいあるか」「運用状況がどうなっているのか」などを確認しながら、将来資金の準備を進めることができます。また、転退職の際には新しい職場の確定拠出年金制度等に持分を引き継ぐことができます。
そして、効率的に資産を増やすことができるのも、確定拠出年金の特徴です。
(1)拠出時の取扱い:会社から拠出される掛金に所得税等は課されません。また、会社側は福利厚生費として処理します。本人が掛金を拠出する場合には、掛金全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となり、節税効果を発揮します。
(2)運用時の取扱い:運用期間中に得た利子や配当などの運用益への課税は行われません(年金資産への特別法人税の課税は凍結中)。
(3)給付時の取扱い:イ.老齢給付金は所得税等が課税されます。年金で受け取るときは雑所得として公的年金等控除、一時金で受け取るときは退職所得として退職所得控除の対象になり、税制優遇措置があります。
ロ.障害給付金は非課税扱いとなります。
ハ.死亡一時金で遺族が受け取るものは相続税の課税対象となります。この場合、法定相続人1人あたり500万円の非課税枠の適用があります。
ニ.脱退一時金は一時所得として所得税等の課税対象となります。
確定拠出年金のデメリット
確定拠出年金は、原則として60歳まで解約することができない仕組みになっています。そのため、いざというときにお金を動かせないという流動性リスクがあります。
また、確定拠出年金の運用責任は、自分で負わなければいけません。ですので、拠出額よりも給付額が少なくなる運用リスクがあります。
詳しいことは会計事務所にお問い合わせください。
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