【経営トピックス】 1ページ 豊洲市場「盛り土」問題に見る「責任者不在」がもたらすデメリット
11月7日の予定だった、東京・築地市場の豊洲への移転が延期されました。水産物や青果物などの食品を扱う主な施設下に、土壌汚染対策のための盛り土をしていなかった問題が、移転直前に発覚したことが大きな要因でした。「なぜ、盛り土がされなかったのか」。責任者の特定に多くの時間を費やし、混乱を招きました。「責任者が誰だかわからない」という状態は、通常の組織では考えられません。今回の騒動を他山の石として、責任者を決めることの重要性を再確認された方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
豊洲市場の「盛り土をする」から「盛り土をしない」という抜本的な方針転換は、責任者の存在をあいまいにしたまま進められました。しかし、責任者がいないと、問題が起きたときに、原因について誰に聞けばいいのかわからず、混乱が生じます。今回の盛り土問題では、「犯人探し」に時間を取られ、肝心の解決策まで満足に踏み込めていない状態です。
責任者の存在は、問題が起きたときに大きく表れます。問題が起きたとき、責任者がいない状況では、どこに責任を追及すればいいのかわからず、解決が遅れてしまうのです。
どんなプロジェクトでも責任者を1人置く習慣を
企業活動においても、責任者の存在が重要です。事業やプロジェクトの大小を問わず、必ず責任者を1人立てることを、企業の習慣とすることをお勧めします。
責任者はどんな場合でも一人です。大きなプロジェクトであっても、責任者を複数にせず、1人の責任者を立てましょう。2人だけの少数プロジェクトでも、1人を責任者に任命しましょう。責任者が明確でないリスクは次のようなものが考えられます。
●「共同責任は無責任」となり、業務が受け身になる
●何かを始める際には周囲に確認を取ってからになり、業務スピードが落ちる
●周囲がプロジェクトについて質問したいとき、誰に聞けばいいのかわからない
●問題が起きたときに、事態の全体を把握する人がいない
●問題が起きたときに、「責任のなすり合い」から始まり、解決が遅れる
一方、責任者が存在するメリットは次のようなものが考えられます。
●責任者が自発的にリーダーシップを発揮して業務を進められる
●プロジェクト全体を把握でき、その情報を社内外に早く的確に伝達できる
●問題が生じた際には、責任者が矢面に立つことでスピーディーな対応ができ、早期解決が期待できる
これまで「責任者は誰か?」という意識が薄かった社長さんは、どんな事業やプロジェクトにも責任者を一人置くことを心掛けましょう。ビジネスにスピード感がつき、業績向上につながります。
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