【労務ワンポイントコラム】 3ページ 長時間労働で頑張ってくれた社員には、医師による面接指導を勧めよう
御社には、昨年末の繁忙期に長時間の残業をして頑張ってくれた社員はいませんか。日夜頑張っている社員ですから、疲れがたまって心身の健康に支障をきたしている可能性があります。労働安全衛生法の改正により、脳・心臓疾患の発症を予防するため、長時間労働により疲労の蓄積が認められた労働者に対し、事業者は医師による面接指導を実施することが義務づけられています。
医師による面接指導制度は、常時50人未満の労働者を使用する事業所でも平成 20 年 4 月から適用されています。地域産業保健センターを利用して面接指導を実施することもできるので、活用してみましょう。
医師による面接指導の対象となる労働者は、「時間外・休日労働時間が1月当たり100時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められる者」です。時間外・休日労働時間が1月当たり100時間を超えたら、労働者、事業者、産業医はそれぞれ次のアクションをとりましょう。
労働者…面接指導の申出をし、医師による面接指導を受けましょう。
事業者…申出をした労働者に対し、医師による面接指導を実施しなければなりません。面接指導を実施した医師から必要な措置について意見聴取を行い、必要と認める場合は、適切な事後措置を実施しなければなりません。
産業医…労働者に対し面接指導の申出をするよう勧奨しましょう。
また、時間外・休日労働時間が月80時間を超え、疲労の蓄積が認められ、または、健康上の不安を有している労働者については面接指導またはそれに準ずる措置が必要です。
時間外・休日労働時間が月45時間を超え、健康への配慮が必要な労働者がいたら、面接指導等の措置の対象となるよう基準を設定し、面接指導等を実施することが望まれます。
長時間労働者への医師による面接指導は、労働者本人の申出により行われます。よって、会社が同制度の存在を全社員に知らせる必要があります。
長時間労働は精神疾患にかかる可能性が高まる
長時間労働は、仕事による負荷を大きくするだけでなく、睡眠や休養の機会を減少させており、疲労蓄積の大きな原因のひとつと考えられています。長時間労働が続くと、うつ病等のストレスが関係する精神疾患にかかる可能性が高まります。うつ病等の精神疾患は自殺につながるリスクが大きいのです。
残業や休日出勤が続いている社員がいれば、面接指導制度について教えてあげましょう。また、一度全社員に周知することをお勧めします。
社員のなかには「面接指導を受けると、心身不調とみなされ、会社から閑職に追いやられるのでは」等と誤解し、面接指導を希望していながら、申請しない人が出てくる可能性があります。会社としては「面接指導は精神疾患予防のため、会社が推奨していることであり、指導を受けたことで従業員が不利益を被ることはない」という点を明示しましょう。社員に安心してもらうことで、申請率を上げることができます。
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