【労務ワンポイントコラム】 4ページ  組織の空気を読み、 ノウハウを熟知することが理想の プレーイング・マネージャー

日本企業の中間管理職のほとんどが、担当実務をこなしながらチームの管理も行うプレーイング・
マネージャーです。プレーイング・マネージャーは、突出した実務スキルとマネジメント能力が求め
られますが、それだけでは不十分です。理想的なプレーイング・マネージャーとは、どのような能力
が必要なのでしょうか。

99%の課長がプレーヤーとしての仕事と
管理職としての仕事を受け持つ

 産業能率大学が2016年に発表した「第3回上
場企業の課長に関する実態調査」によると、上場
企業の課長のプレーヤーとしての仕事の割合は、
以下のようになっています。
●プレーヤーとしての仕事が半分以下…54.8%
●プレーヤーとしての仕事が半分より多い
 …44.3%
● プレーヤーとしての仕事はない…0.9%
 99.1%の課長がプレーイング・マネージャー
として、プレーヤーとしての仕事と管理職として
の仕事の両方を担っていることが判明しました。
そして、「プレーヤーとしての活動はマネジメン
ト業務に支障があるか」という質問に対しては
「とても支障がある」と「どちらかと言えば支障が
ある」を合わせると58.3%にも上り、プレーヤー
と管理職の仕事の両立に苦労している様子がう
かがえます。

担当部署の業績と周囲の業績も
目配りができるのが中間管理職

 アメリカ・インテル社のCEOをしていたアン
ドリュー・S・グローブ(1936-2016年)は、理想
的なプレーイング・マネージャーについて、次の
ように説いています。
「 中間管理職とは、担当部署の最高経営責任者
(CEO)であるがゆえに、担当部署の業績に加え
て周囲の業績についても目配りができる」
 つまり、プレーイング・マネージャーは担当の仕
事と指導ができるだけでなく、いかに周囲に影響
を及ぼすことができるかが大切だと言うのです。
 多くの会社では、役職が上がるにあたって「当
該企業で役に立つ能力」を求めています。当該企
業の商品・サービスに関する現場での知識やスキ
ル、会議の段取り、部門間調整など、当該企業で通
用する特有の能力が高くなるにつれ、昇進してい
きます。
 この「当該企業で特に役に立つ能力」を発揮す
るには、その組織のハードとソフトとが組み合わ
さった「組織の空気を読む能力」が大事になって
きます。
 組織の空気を読む能力が高まれば、担当部署だ
けでなく周囲の部署に影響を与えられます。ひい
ては、隣接部署の業績アップをもたらすでしょ
う。よって、「当該企業で特に役に立つ能力」の高
さが、プレーイング・マネージャーには要求され
るのです。
 担当部署を超えた業績アップをもたらすこと
ができるのは、組織のノウハウを熟知しているか
らです。理想的なプレーイング・マネージャーと
は、「ノウハウ・マネージャー」とも言うことがで
きるでしょう。

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