【労務ワンポイントコラム】 4ページ  自社に合わない成果主義の導入は、 時短圧力の形骸化を生む  

GDP(国内総生産)を、労働投入量(就業者数×労働時間)で割ったのが「労働生産性」。「労働者が生み出した成果がどれくらい効率的だったか?」を定量的に表す指標です。この労働生産性において、OECD(経済協力開発機構)加盟35カ国中、日本は18位(2016年)。生産年齢人口が減少の一途をたどっていく可能性が高い日本では、その減少分をカバーするために生産性を向上させるという狙いが国策として掲げられるのは必然だったのかもしれません。
ただ、具体的な施策として、労働時間規制、同一労働同一賃金は、果たしてうまく機能しているといえるでしょうか?

「就職」ではなく「就社」という日本型雇用

 労働生産性を上げるということを目指せば、労働は「成果」で評価されることになります。そして、成果主義であれば、性別、障がいのあるなしなどで差別されることがなくなり、ひいては企業の競争力強化に通じると考えられたのかもしれません。
 ところが、新卒→育成→社内スキルの向上というキャリアパス、いわば「就職」ではなく「就社」という雇用スタイルが多くの日本企業の特徴です。
 成果主義に加えて、長時間労働の規制圧力も強まったなかで、「就職」ではなく「就社」をした社員はどのような仕事の仕方をするようになるでしょうか?

カウントされない時間外業務で疲弊

 知的労働力を生かした知識集約型産業では、業務時間外にも「考える」作業に追われ疲弊していく労働者がいてもおかしくありません。人事部からは残業を禁止されるなど、形式的にコンプライアンス遵守を求められ、その直後からすでに形骸化しているというような場合も……特に、「就社」という意識で働く労働者は会社への帰属意識が強いでしょうから、幹部候補だったりすると、出世のために必要以上に頑張ってしまい、結果、疲弊するというケースも懸念されています。
 成果主義というものは、形として残るか、目に見えて定量的に測れるものを評価する考え方です。一見するとマイナス評価な仕事であっても、来期以降の大きな成果のために実は必要な仕事であるかもしれません。
「 失敗は成功の母」といいますが、マクロな政策や安易な成果主義に流されることなく、「成功の母」を自ら排除してしまう評価制度に陥らないよう気を付けておきたいものです。

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