【経営トピックス】 1ページ 東芝解体に学ぶ、 物言えぬ経営風土の怖さ

年初来、大手家電メーカー「東芝」の問題がニュースやメディアを賑わせています。その大きな原因となっているのが、アメリカの原子力発電所メーカーであるウエスチングハウスを中心とした原発事業の不振です。事業不振を隠し続けたことによって、東芝は解体の憂き目に立たされることになりました。なぜそのような経営風土ができてしまったのでしょうか?

カンパニー化によって本社が全体を見れなくなった

 理由のひとつとして、組織形態が大幅に変化したことが挙げられます。1999年に東芝は、自主責任と迅速な経営判断を生み出すために、社内カンパニー制を導入して当時8つのカンパニーを生み出しました。現在は5つの事業グループと7つの社内カンパニーがあります。
 各カンパニーには総務・人事・経理が置かれており、カンパニーごとに経営目標を決めて決算書を作成しています。カンパニー制度を導入したことで専門の事業分野が迅速に展開できるようになった反面、本社が各カンパニーを統制するのが難しくなりました。
 社内カンパニー制度の最大のメリットは事業ごとに責任が明確化されることです。一方、会社全体の利益ではなく、カンパニー単独の利益を目指すようになるリスクもあります。

「会社全体のため」を忘れてはいけない

 自らのカンパニーの利益を最優先するように組織の力が働けば、ネガティブな情報や事実の隠ぺいにつながりかねません。最悪の場合には、会計操作に手を下してしまう経営体質になってしまうこともあるのです。
 実際に東芝はそのような経営風土に陥ってしまい、不適切な会計操作を積み重ね、今回の解体につながったと考えられます。
 複数の事業を展開している大企業では、事業の責任を明確にして迅速な経営をするために、今後もカンパニー制度のような組織形態を採用する必要が出てくるでしょう。
 各カンパニーごとの競争意識は必要ですが、各々の組織が会社全体の利益のため、ひいては社会全体の利益のために活動していることを忘れてはいけません。

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