【労務ワンポイントコラム】 4ページ 『両立支援等助成金』を活用しながら福利厚生や働き方を見直そう
働き手が不足している中で、魅力的で働きやすい職場環境を整えることは、優秀な人材を集めるためにも必要不可欠です。中小企業の中では、すでに就業環境の改革を推進している会社もあるようです。そこで、福利厚生を充実させた会社の事例や、ワークライフバランスを考えた柔軟な働き方を後押しする助成金についてご紹介します。
従業員のニーズに合わせ職場環境の変革に取り組む中小企業
人口減少が進んでいます。生産年齢人口は、2015年は7,708万人ですが、2029年には約800万人減少する見込みです。近い将来、働き手の都合に合わせて職場環境を変えなければ、人材を採用することが難しくなってくるといわれています。大手企業の働き方改革はなかなか進んでいないようですが、中小企業では、画期的な働き方改革が進んでいる企業もあるようです。
IT企業であるロックオンでは、“山ごもり休暇”と名付け、年に一度、社員に連続9日間の休暇取得を義務付けています。休暇中は、“山ごもり”の名にふさわしく、仕事に関するメールや携帯電話のやりとりを禁止しています。「仕事の連絡が絶対に来ないとわかっているからこそ、リフレッシュできる!」と社員の間で好評です。
また、パートや派遣社員については、より柔軟な働き方を提案している企業も多いようです。たとえば、出勤日や就労時間を自由に決められ、事前申告も不要なフリースケジュール勤務や、早朝勤務を希望する高齢者が働きやすいよう、午前5時から9時までの早期パートを導入しているところもあります。
職場環境を改善すると助成金がもらえる
厚生労働省では、ワークライフバランスの考え方に基づき、職場環境を改善した企業に対して『両立支援等助成金』を支給しています。この助成金にはいくつかコースがあり、好きなコースを選択することができます。
たとえば、『出生時両立支援コース』では、男性が育児休業を取得しやすい職場づくりに取り組み、実際、男性に育児休業を取得させた事業主に助成金を支給しています。子どもが生まれてから8週間経過するまでの間に、育児休業を連続14日以上(中小企業は連続5日以上)取得した男性従業員がいる会社が対象です。ただし、過去3年以内に男性の育児休暇取得がない場合に限られます。
支給対象は、1年度につき1人までですが、1人目(初年度)の育児休暇で中小企業の場合は最大で57万円、2人目(2年度目)以降は14万2500円が支給されます(労働生産性を向上させた場合、さらに助成金が割増されます)。助成金を受け取るためには、男性の育児休業取得について管理職向けの研修の実施や、管理職による子どもが生まれた男性従業員への育休取得の勧奨・促進を行っていることが要件となります。
こうした助成金を活用しながら、労働者にとって働きやすい職場をつくっていくことが、今後重要となってくるでしょう。
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