【データで見る経営】 2ページ 経営のさらなる長期安定化が見込める産業とは?
経済産業省が今年2月に発表した『平成29年企業活動基本調査』によると、主要産業における一企業当たりの純資産が増加傾向にあることが明らかになりました。このことから、各企業の自己資本比率も上昇し、全体では経営の安定化が進んでいることがわかります。また、今回の調査で、今後さらなる経営の安定化が期待できる産業が見えてきました。
主要産業の純資産は軒並み上昇傾向に
今回の経済産業省の調査は2万9,970社を対象に行われ、そのうち主要産業といわれる製造業、卸売業、小売業の純資産(※1)の合計が発表されました。
製造業では、平成26年度、27年度ともに120億円台だったものが、28年度には130.6億円を達成。卸売業でも27年度が76.4億円だったのに対し、28年度は81.9億円に増加。小売業でも、27年度が58.1億円だったものが59.1億円に伸びるなど、全体的に純資産が増加傾向にあります。
さらなる長期安定化が見込める産業とは?
主要産業の純資産の増加に比例し、自己資本比率(※2)も上昇傾向にあります。この自己資本比率が小さいほど、他社の資本の影響を受けやすく、会社の経営は安定しません。逆に、自己資本比率が高いということは、純資産が豊富にあるため、他社の資本の影響を受けにくいということです。
つまり自己資本比率が高い会社は、倒産の危険性の少ない、安定した会社ということが言えます。
今回の調査では、各産業ともに負債の割合が前年度や前々年度と比べても大きな変化はありませんでした。製造業における未払金や短期借入金などの流動負債と、社債や長期借入金などの固定負債の合計は、27年度が129.5億円、28年度が1 3 0 . 9 億円。製造業の2 8 年度の純資産が130.6億円。このことから、製造業の28年度の自己資本比率は49.9%、卸売業は37%、小売業は42%と算出できます。
どの産業も前年度よりも自己資本比率が高くなっており、経営が安定化傾向にありますが、なかでも特に自己資本比率が高い産業は製造業であることがわかります。これは借入金に依存していない経営を行っている企業が多い証。人手不足などの問題はありますが、多くの産業の中でも、製造業は将来的な長期の安定が期待できる産業だと言えます。
※1 会社の全ての資産総額から負債額を差し引いたもの。このときの負債とは、銀行などからの借入額も含みます
※2 全体の資金調達の中での純資産の割合
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