【経営なんでもQ&A】 7ページ ストレスチェックを受けた社員が医師の面接指導を受けやすくするには?
Q 『労働安全衛生法』のもとストレスチェックを行った際、医師の面接指導が必要だと判断された社員がいました。しかし、その社員から面接の指導の申出がありません。会社でできる対策は何かありますでしょうか?
A 面接指導が必要な社員が安心して医師の面接指導を受けられるように、再度、目的などを明確に提示しましょう。また、面接指導への抵抗感を緩和するためにも、高ストレス者のみならず、すべての労働者が気軽に利用できるような相談窓口を設けるなどの対応も行うと良いでしょう。
ストレスチェックとは?
ストレスチェックとは、2015年12月より年1回、労働者が50人以上いる事業所のすべての労働者に対して実施することが義務付けられた検査です。ストレスに関する質問票に労働者が記入し、それを集計・分析することで、自身のストレスがどのような状態にあるのかを調べます。
目的としては、労働者が自分のストレスの状態を知ることによって、高ストレスの場合は医師の助言をもらったり、会社側に業務軽減などの措置を実施してもらったりと、鬱などの精神的な不調を未然に防止していくことです。
医師の面接指導を受けたのはわずか0.6% その理由とは?
平成29年7月の厚生労働省の調査では、ストレスチェックを受けた労働者のうち医師の面接指導を受けたのは、全国集計で0. 6%だったことが明らかになっています。受検者の10%ほどが高ストレス者に該当するよう、基準となるカットオフ値が設定された同検査からすると、予想以上に少ない結果だと言えるでしょう。
その理由としては、面接指導の申出をすることによって、事業者への結果提供に同意したともみなされるため、自身が不利益な扱いを受けるのではないかという不安があったり、面接を行って医師からどのような指導が受けられるのか不明なことが挙げられました。
では、そういった不安や不明点を解消していくためには、どのような対策を行っていくべきでしょうか?
面接指導の申出を増やす対策
まずは、改めて個人情報の取り扱いには十分に気をつけることや、面接指導の申出があったからといって会社内で不利益な扱いをすることは禁止されていることを、明確に社員に提示することが大切です。
また、高ストレス社員に対してストレスへの気づきとセルフケアの方法を指導し、会社側が必要に応じて就業上の配慮を行うこと、そしてあくまでも『自身の心の健康づくり』が、医師の面接指導の目的であることも伝えてあげましょう。社内で保健師や産業カウンセラーなどを配置し、医師よりも気軽に相談できる窓口を設けるといった環境整備も効果的です。もちろん、社外の相談窓口も心理的抵抗感を下げるには有効です。
以上のようなことを積み重ねていくことにより、医師の面接指導を受けやすい環境が生まれ、社員の心の健康に対する意識を高めていくことにつながるでしょう。
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