【税務・会計2分セミナー】 3ページ 今期の税金を前払い?法人税の中間申告について
前事業年度の法人納付額が一定以上だった場合、事業年度の中間で今期の法人税の一部を前払いで納める必要があります。今回は、この“中間申告”の内容について解説します。
“中間申告”が必要な場合とは?
中間納付額が10万円を超える場合は、事業年度の中間で“中間申告”を行い、法人税を前払いする“中間納付”をしなければなりません。申告・納付期限は、事業年度開始の日以後6カ月を経過した日から2カ月以内(決算日から8カ月後)です。たとえば3月決算の会社の場合、中間決算月は9月、申告、納付期限は11月30日となります。
その事業年度の決算時には中間申告で納付した額が控除され、払い過ぎの場合には還付されるため、中間納付を行ったからといっても、損をするわけではありません。いわば、前払いにあたります。
半期の時点で一度支払っておけば、年度末にまとめて支払うより資金繰りの見込みが立てやすい場合も多いほか、安定的な税収の確保につながるため、税務署の心象もよくなります。
前年度納付額の半分を申告するか
今年度半期分の利益から計算するか
中間申告の方法には次の2通りがあり、いずれかを選択することができます。
【予定申告】
前事業年度の確定申告に係る法人税額で、事業年度の開始の日以後6カ月を経過した日の前日までに確定した金額を前事業年度の月数で割ったものに6を乗じて(100円未満切り捨て)法人税額を計算します。仮に、前事業年度の月数が12カ月で、前事業年度の確定法人税額が120万円の場合、120万円÷12カ月×6=60万円となります。簡単に計算できるため、ほとんどの法人がこの方法を採用しています。
【仮決算】
事業年度開始の日以後6カ月の期間を一事業年度とみなして所得の金額等を計算した場合には、中間申告書の提出の事項に代えて、次の事項を記載した中間申告書を提出することができます。
(1)その期間の所得の金額等
(2)(1)の金額の計算の基礎その他一定の事項
通常の確定申告と同じように決算書類を作成し、税額を計算する必要があります。ただし、仮決算で計算した中間納税額が、予定申告により計算した金額を超えている場合には、仮決算による中間申告は選択できません。
仮決算のメリット・デメリット
「前期の売上は好調だったけれど、今期の売上はかなり下がってしまったので中間納付が苦しい」という場合には、仮決算を行ってもよいでしょう。
仮決算は今期の数字をもとにしているので、もし計算の結果が赤字であれば、納税額は0円となります。
しかし中間決算には、税理士に対して決算報酬の支払いが必要となるなど、トータルで見ると支払いが多くなり、キャッシュフローは悪化します。そのため、中間納付によって事業が破綻してしまうほど会社の資金繰りが厳しい場合や、納税額が非常に多く、税理士への支払いが増えても中間納付で資金を浮かせて事業に回したい場合以外は、仮決算を行わないほうがよいと考えられます。
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