【データで見る経営】 2ページ 本業に支障?スキルアップ?従業員の副業・兼業の是非
2018年に成立した『働き方改革関連法案』で、従業員の副業・兼業が原則として容認されました。しかし、同年の調査によると、企業の7割以上で副業・兼業を認める予定がないことがわかりました。この先、従業員の副業は普及していくのでしょうか? メリット・デメリットを踏まえつつ、副業の是非を検証します。
「副業・兼業は認めない……」根強い企業の抵抗感
厚生労働省所管の労働政策研究・研修機構は、2018年、全国の従業員100人以上の企業及び対象企業の正従業員、2,260社・1万2,355人に『多様な働き方の進展と人材マネジメントの在り方に関する調査(企業調査・労働者調査)』を実施。このうち『従業員の副業・兼業』に対して、75.8%の企業が『許可する予定はない』と回答しました。
理由としては『過重労働となり、本業に支障をきたすため』が82.7%で最も多く、次に『労働時間の管理・把握が困難になる』が45.3%、『ほかの従業員の業務負担が増大する懸念があるため』が35.2%、などが続いています。
政府は副業・兼業を推進していますが、現状では7割を超える企業が副業の許可に慎重な姿勢をみせており、副業解禁にはまだ時間がかかりそうです。
一方、11.2%の企業が『副業・兼業を許可している』と回答しています。その理由は『従業員の収入増加につながるため』が53.6%で最も多く、次いで『従業員が活躍できる場を広げるため』が31.7%、『従業員のモチベーションの維持・向上につながるため』が31.4%と続いています。
従業員は副業・兼業に意欲的
また、従業員に対する同調査を見てみると、今後5年先を見据えた副業・兼業に対して『積極的である』という回答が合計で37.0%に上りました。副業・兼業を望む理由は『収入を増やしたいから』が85.1%で最も多く、『自分が活躍できる場を広げたいから』が53.5%、『様々な分野における人脈を構築したいから』が41.7%と続いています。これらの結果から、副業に抵抗がある企業と意欲的な従業員との間で、意識のギャップが大きいことがわかります。
確かに従業員の副業・兼業で、企業側が被るかもしれないデメリットは無視できません。しかし、従業員が社外で得たスキルを自社の仕事に活かせたり、新たな人脈から事業の拡大へつながるなど、従業員のみならず企業にとってのメリットも多くあります。また、『副業OK』は企業の魅力となり、優秀な人材の採用に有利に働き、またその流出防止にも効果が見込めます。
人材不足が深刻化している現在、副業許可は、少しずつ拡大していくことが予想されます。副業解禁を前向きに検討する事業主は、企業と従業員の実情に沿ったガイドラインを考えてみてはいかがでしょうか。
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