【経営なんでもQ&A】 7ページ 従業員10人未満でも就業規則をつくるべき?

Q 従業員が10人未満の会社の場合、就業規則を作成する必要はないと聞きました。当社は従業員数が7人なので、作成する必要はないということでしょうか? 就業規則を作成するには時間もかかりますし、正直あまり必要性も感じていません。このまま就業規則がなくても特に問題ないと思いますが、どうでしょうか?

A 『従業員が10人未満の会社の場合、就業規則を作成する必要はない』というのは、あくまで“最低限の条件”です。就業規則があると会社を経営するうえでさまざまなメリットがありますので、会社を安定的に経営していきたいのであれば、作成することをおすすめします。

“就業規則なし”は思わぬトラブルの元

 『労働基準法』により、従業員が10人以上いる事業所では、『就業規則の作成・届出・周知』が義務づけられています。従業員が10人未満の事業所には作成の義務はありませんが、作成しておけば、従業員の安心、労働問題の予防、会社の安定的な経営などに役立ちます。
 就業規則の目的は、会社のルールを全従業員で共有することにあります。労働時間や賃金などの労働条件を明記し、従業員全員がそれをきちんと把握しておくことは、従業員の安心と会社への信頼につながります。
 また、会社のルールを明確にしておけば、従業員から団体交渉や訴訟を受けたときでも、どちらが“就業規則=会社のルール”に反しているのかをすぐに明らかにすることができます。さらには、従業員が問題行動を起こしたときに、ペナルティを課す根拠にもなります。
 このように、会社の安全かつ健全な経営において、就業規則は大きな効力を発揮するものです。「うちは従業員10人未満なので、就業規則は必要ない」と考えて作成しないでいると、思わぬ場面で足元をすくわれてしまうことがあるので注意しましょう。

細かなルール設定がさまざまな場面で役立つ

 就業規則の存在は、たとえば長期間休職を続けている従業員に対応する際にも役立ちます。こうしたケースへの対応を雇用契約書だけで定めておくには限界がありますが、就業規則なら細かいルールの取り決めが可能です。
 “働き方改革”が注目される今、こうした細かいルール設定の重要度は増すばかりです。就業規則を設けていれば、さまざまな状況にきちんと対応できるという実務面でのメリットにもなります。
 就業規則の作成を面倒に思ったり、必要性を感じられなかったりする経営者も多いでしょう。しかし、就業規則は会社経営のさまざまな場面で役立つものです。労働基準法で作成・届出・周知が義務づけられていないからといって、“就業規則なし”で済まさずに、作成を検討しましょう。

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