【税務・会計2分セミナー】 3ページ  その書類、いつまで保存?重要書類の保存期間と管理方法は?

会計や経理に関するもの、人事や労務に関するものなど、保存しなければいけない書類は日々増えていくばかり……。一体いつ処分すればよいのでしょうか? 今回は、法律で定められている書類の保存期間と、おすすめの管理方法をご紹介します。

主な書類の保存期間は?

 会社で扱う書類には法律で保存期間が定められているものがあり、主な書類の法定保存期間は、下記のように定められています。
(1)保存期間10年…決算書・総勘定元帳 
(2)保存期間(事実上)10年…請求書、領収書、税務申告書、源泉徴収簿(賃金台帳)、通帳
(3)保存期間5年…従業員の身元保証書、健康診断個人票
(4)保存期間4年…雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)、離職証明書(事業主控)
(5)保存期間3年…労働者名簿、労働保険料申告書・タイムカード
(6)保存期間2年…健康保険の標準報酬決定通知書

 また、税務上の帳簿書類の保存期間は原則7年間です。しかし、損失と現在の利益を相殺する際は帳簿が必要となり、法定の保存期間より長く帳簿を保存しておく必要があることから、欠損金(赤字)の繰越期間は次の通り延長され、帳簿書類の保存期間が変更されています。

●2011年の税制改正…2008年4月1日以降に終了した事業年度に生じた欠損金について、繰越期間が9年とされたことに伴い、帳簿書類の保存期間が9年に延長
●2015年度、2016年度の税制改正…2018年4月1日以降に開始する事業年度に生じた欠損金について、繰越期間が10年とされたことに伴い、帳簿書類の保存期間が10年に延長

 法人税法と会社法で保存期間が異なりますが、最長の保存期間は10年です。帳簿の書類などは年度ごとにまとめて保管し、10年が経過したら廃棄していくようにしましょう。

スマートフォンの撮影画像でも保存OKに

 これまで書類は紙の原本で残しておくことが必須となっていましたが、1998年施行の『電子帳簿保存法』により、法人税施行規則第59条第4項等に規定する『帳簿書類』に該当する場合は、デジタルデータやスキャン画像での書類保存が容認されました。また2016年の同法改正により、スマートフォンやデジタルカメラの撮影画像での保存も可能になっています。
 書類の電子化は、初めは大変かもしれませんが、実行すれば大幅な作業の簡易化・効率化が期待できるでしょう。
 税務調査時に書類の保存義務違反が明らかになると、青色申告が取り消され、税務署の推計で所得税や法人税が課されたりするなど、大きな不利益を招くおそれもあります。
 日頃からしっかりとした書類の保存管理と、わかりやすい整理整頓を心がけておくことをおすすめします。

参考文献:
厚生労働省ホームページ
http://www.meti.go.jp/intro/consult/disclosure/data/pdf/14.pdf
国税庁ホームページ
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/ans3/03.htm
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5930.htm

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