【社長が知っておきたい法務講座】 5ページ それって大丈夫?フリーランスと契約を結ぶ際の注意点
個人のライフスタイルに応じ、働き方も多様化が進んでいます。個人が会社に雇用されずに、会社から直接業務を請け負う『フリーランス(個人事業主)』も、その一つの形です。今回は、会社がフリーランスに仕事を依頼する場合、注意しておきたいポイントをいくつかご紹介します。
『業務委託契約』でもその実態はどうか
内容面や効率面など、自社で対応できない業務をフリーランスに外注する場合、その契約は『業務委託契約』となる場合がほとんどです。
『業務委託契約』とは、ある特定の業務による成果と報酬のやりとりのみを約束し、当事者間で取り決めた契約を指します。法律的に正式な名称ではなく、請負契約や委任契約、準委任契約など、業務を外部に頼む際の契約の総称です。労働関係法に基づいた『労働契約』とは異なり、発注者と受注者は、従属関係のない独立した事業者間の契約となります。
受注側が『労働者』に該当しないため、就業時間や残業代への配慮、雇用保険や社会保険加入などの必要もなく、会社としては、管理コストを抑えながら必要なときだけ業務を頼むことができるというメリットがあります。
しかし『業務委託契約』で仕事の受発注が行われていても、働き方の実態から「これは実際には労働契約ではないか」と主張され、残業代請求などをめぐりトラブルに発展するケースも生じています。
では、フリーランスに業務を委託する場合、どのような点に気をつければよいでしょうか?
フリーランスは対等なパートナーとして
業務委託契約のつもりでも、後々「これは労働契約だ」と判断されるか否かは、発注側と受注側の間に、使用者と労働者のような『使用従属性』が認められるか否かによります。判断のポイントはさまざまですが、代表的な例は下記の通りです。
・業務に関する指揮命令の有無
雇用契約の場合、使用者は労働者に対し、さまざまな指示や命令を行うことが可能ですが、業務委託契約では、発注側は受注側に指図ができません。
・時間や場所などの拘束の有無
発注側が受注側の勤務場所を指定したり、就業時間や休憩時間を管理することはできません。
勤務時間や場所、仕事のやり方などへの細かい指示や拘束、残業依頼などが常態化していれば、形式上は業務委託契約であっても、労働契約と認定され、各労働関係法令の厳しい制約が課せられるおそれがあります。そうなれば、不測の残業代請求や未払賃金支払請求を受けるリスクが飛躍的に高まります。業務委託契約を結ぶ際には、あくまで対等なパートナー関係をつくるという意識で仕事をしましょう。
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