【労務ワンポイントコラム】 4ページ 高プロ制度とは?押さえておくべきポイント
「高収入を得ながら自由な働き方ができる」と話題の高度プロフェッショナル制度、いわゆる“高プロ制度”。年収1,075万円以上の高度専門職に就く労働者に対して、労働時間ではなく成果報酬として賃金を支払う制度のことです。そのメリットやデメリットを、注意点とあわせてご紹介します。
高プロ制度のメリットとデメリット
2019年4月から導入された高プロ制度の対象となるのは、専門性の高い職種であることに加え、年収1,075万円以上で高プロ制度を利用する意思がある者に限られます。
高プロは、現在のところ、以下の5つの業務に限定されています。
(1)金融商品の開発業務
(2)金融商品のディーリング業務
(3)アナリストの業務
(4)コンサルタントの業務
(5)研究開発業務等
労働者は管理された時間内で働く必要がなく、自由な労働の形を遂行できるため、ワークライフバランスの実現が可能です。
また、自分の持つスキルや知識などを活かした収入アップも期待できます。
そして、企業にとっては、「高い能力を持つ労働者に成果報酬型の賃金を支払うことで、残業代など労働時間による手当などを支払わなくて済む」というコスト面でのメリットがあります。
その一方で、デメリットもあります。
まず、「成果を出すためにかえって長時間労働になってしまう」という人が出てくる可能性があげられます。
また、成果が出るまでに年単位の時間がかかる業種の場合、適正に評価することがむずかしいという面もあります。
運用規定を明確にするのが絶対条件
高プロ制度の導入にあたっては、書面による本人の同意に加え、企業内の同人数の労使によって結成された労使委員会で、対象業務、対象労働者、健康確保措置などについて4/5以上での決議が必要です。高プロ対象者は、36協定による労働時間規制から外れ、労働時間管理をする必要はなく、時間外・休日・深夜手当の支払いも不要です。代わりに年間104日以上、4週4日以上の休日の確保が義務化され、労使委員会によって以下のいずれかの健康確保措置を決議するように義務づけられました。
●勤務間インターバル規制と深夜業の回数制限
●1カ月または3カ月当たりの在社時間等の上限
●1年につき、2週間連続休暇(希望者は1週間連続休暇 ×2回)の取得
●在社時間が一定時間を超える、または本人の申し出 があった場合の臨時健康診断の実施
また、企業は高プロ対象者に対して労働時間に関する指示や業務命令は一切行うことができず、裁量を奪う業務量や、成果・納期設定も禁止されます。これらは、労働基準監督署の立ち入り調査の対象です。
高プロ制度に関しては、これらの注意点をしっかりと押さえておきましょう。
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