【データで見る経営】 2ページ 割増賃金額446億円超!未払い残業代請求で倒産の危機も

昨今は企業の労働環境の改善意識が高まる一方、労働者の権利意識も向上しており、労使間協議の件数も年々増加傾向にあります。今回は、そのなかでも特に会社存続にかかわる問題として注目を集めている“残業代の未払い問題”について考えてみましょう。

未払い残業代により企業が負う甚大なリスク

 厚生労働省が発表した『監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成29年度)』によると、労働基準法違反にかかる是正指導で100万円以上の割増賃金を支払った企業は1,870社(前年度比521社増)で、
そのうち262社は支払金額が1,000万円以上でした。支払われた割増賃金の合計額は、446億4,195万円
(前年度比319億1,868万円増)。この莫大な金額の原因は、宅配便最大手のヤマトホールディングスで
発覚した200億円超の未払い残業代とされています。
 未払い残業代に関する労使間協議が発生した場合、会社が抱えるリスクは甚大です。労働基準監督署への対応、遅延損害金・付加金の発生、同種訴訟の頻発など、その時間的・金銭的コストは計り知れません。最悪の場合、会社倒産にまで発展してしまいます。

状況を把握し、雇用契約と賃金体系の見直しを

 トラブルを防ぐには、まず従業員の労働状況を把握する必要があります。残業代を請求される会社は、
就業規則や雇用契約があいまいだったり、36協定を締結していなかったりと、会社の義務が果たせてい
ないことがあります。また、“管理職は残業代が不要”、“年俸制だから残業代は不要”などの間違った知識
から結果的に未払い残業代が発生しているケースもあるため、正しい知識をつけることも大切です。
 残業代を減らすためには賃金体系の見直しも有効です。変形労働時間制、専門業務型裁量労働制、事業
場外みなし労働時間制など、自社の働き方に合った制度を検討してみるのもよいでしょう。 
 なお、万が一未払い残業代を請求されたら、従業員の話を真摯に聞いて対応することが解決の近道です。

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