【増客・増収のヒント】 6ページ  “もったいないからやめられない!” 『コンコルド効果』をビジネスに活用

心理学には、“もったいない”という思いから、それまで行ってきた投資を止められなくなる『コンコルド効果』という理論があります。今回は、この理論をビジネスで利用する方法について、具体例とともに紹介します。

時間やお金、労力を費やすと心理的にやめづらくなる

 『コンコルド効果』とは、あるものに投資し続けても今後損失が拡大していくだけだとわかっているのに、それまで費やしてきた時間やお金、労力を惜しむあまり、投資をやめられなくなることをいいます。簡単に言うと、「途中でやめたらもったいない」という心理状態です。イギリスとフランスが行った超音速旅客機『コンコルド』の開発において、採算が取れないことがわかっていても開発・就航を継続し、商業的失敗を招いてしまった事例を由来としています。

 コンコルド効果は日常のさまざまな場面で見られ、たとえば次のような例があげられます。
●ギャンブルや株式投資などで、“勝ち”が薄いと思っていても、それまで費やしたお金が無駄になるのが許せずに、さらにお金を注ぎ込んでしまう。
●上映開始早々につまらないと感じた映画を、「せっかくお金を払ったから」と最後まで観る。
●もう利用する気のない月額制会員サービスでも、「月末までは利用可能だから」と契約を続ける。
●もう脈はないと思われる異性に対し、「これまでの自分の行動が無駄になってしまうから」と、何度も
アタックする。

ビジネスシーンでも見られる『コンコルド効果』

 『コンコルド効果』はビジネスにも応用されています。
その代表例がポイント制度です。たとえば、1,000円購入ごとに1ポイントがつき、20ポイントで500円の割引券がもらえるというサービスがあるとします。19ポイントまで溜まっている人は、おそらく残り1ポイントを溜めるためにまた来店するでしょう。あるいは、20ポイント達成のために、その場で1,000円分の商品を購入するかもしれません。
 通販サイトなどでよくある『○○○○円購入で送料無料』も同様です。『1万円分購入で送料無料』と設定した場合、もしユーザーの欲しい商品が9,000円くらいだったとしたら、そのユーザーは、送料を無料にしたいため、1,000円分の商品を追加購入する可能性が高いでしょう。送料を無料にするラインをいくらに定めるかは、自社の通販サイトの商品の平均額と、消費者の平均購入額の集計データから求められます。
 このほか、“デアゴスティーニ”、“アシェット・コレクションズ”といった付録つき分冊百科も好例でしょう。途中で多少飽きてしまっても、「せっかくここまで集めたから」とコンプリートするユーザーは多いと考えられます。創刊号の価格を安く設定して買いやすくしてあることもポイントです。また、健康食品などの販売では、“1カ月無料(または割引)”などのキャンペーンを打つと、「せっかく体にいいことを1カ月続けたから」と継続購入を検討してもらいやすくなるともいわれています。

 このようにビジネスでも広く使われている『コンコルド効果』。ここにあげた例を参考にしながら、自社のビジネスに取り入れてみてはどうでしょうか。もちろん、消費者側に、最終的には「途中で止めず、続けてよかった」と満足してもらえるような内容にすることはいうまでもありません。 

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