【経営なんでもQ&A】 7ページ リース契約の詐欺に遭ってしまったらどう対処すればいい?
Q 個人事業を営んでいます。先日、「電気代やメンテナンス料が安くなる」と訪問販売の営業マンにいわれ、複合機のリース契約をしました。しかし、説明された内容と、契約書に記載されている内容が大きく異なるため、契約の解除をしたいと思います。クーリングオフの規定は適用できますか?
A 個人事業主であっても、事業者間の取引については、原則としてクーリングオフの規定の適用は認められません。ただし、個人用や家庭用として使用する場合は、適用が可能です。また、民法の規定に基づき、錯誤無効や詐欺取消しなどを主張できる可能性もあります。
クーリングオフの規定は事業者間契約には適用不可
“クーリングオフ”は、『特定商取引に関する法律(特定商取引法)』など、いくつかの法律によって定められており、一定期間内であれば無条件で契約を解除できる制度です。主に、訪問販売や電話勧誘販売など、突然、業者側から勧誘され、冷静に判断できないまま契約をしてしまう可能性の高い販売方法などに適用されます。
ただし、契約の申込みをした者、または購入者等が営業のためにまたは営業として締結する契約にかか
わる訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売には、特定商取引法の規定が適用されず、当該訪問販売及び電話勧誘販売にはクーリングオフの規定も適用されないと定められています(特定商取引法26条1項1号。
なお、通信販売にはクーリングオフに関する規定はありません)。
つまり、原則として、事業者間の取引(事業で使用するために個人事業主が締結した契約も含む)では、クーリングオフの規定を適用することはできないのです。
しかし、2005年に経済産業省が特定商取引法の通達を改正したことにより、状況は変わりました。事業者が契約をした場合であっても、主に個人用・家庭用として購入した場合には、クーリングオフの規定の適用が認められるようになったのです。過去には、電話機のリース契約でクーリングオフを認めた判例もあります。
個人・家庭での使用でなくても詐欺が認められれば無効に
個人用・家庭用ではなく、事業用に購入したのであれば、クーリングオフの規定は適用できません。しかしそのようなケースでも、場合によっては、民法の規定に基づき、契約の無効や取り消しを主張できる可能性があります。
契約時に説明された内容と、実際に届いた商品やサービスが大きく異なっていたり、虚偽の説明があったりした場合には、『意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、無効とする』(民法第95条本文)や、『詐欺又は脅迫による意思表示は、取り消すことができる』(民法第96条第1項)が認められるケースがあるのです。
もしリース契約のトラブルが発生したときは、これらのことも念頭に置きながら、慎重に対応するようにしましょう。
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