【社長が知っておきたい法務講座】 5ページ パート従業員の解雇に際し知っておくべきポイントとは?

時間や労働力の調整がしやすく、企業側にもメリットが多いパートタイム雇用。だからといって簡単に解雇や雇止めをすることはできません。パート従業員や派遣社員でも解雇や雇止めをするにはさまざまな決まりがあります。これらの注意すべき点についてご説明します。

予告(手当)なしに解雇することはできない

 従業員の雇用形態は、正社員のほか、パート従業員や派遣社員、契約社員など、さまざまなものがあり、いずれの雇用形態においても、解雇には正社員とほぼ同様の対応が求められます。
 パート従業員は、期間を区切った雇用契約を結んでいても、『自動更新』で雇用している場合には、
『期間を定めていない雇用契約』と認定されやすくなります。解雇をする際は、30日以上前の解雇予告はもちろん、正社員と同等またはそれを上回る合理的な解雇理由が必要になってきます。会社経営上のやむを得ない理由であれば、契約途中であっても解雇が有効とされる可能性はあります。
 勤務態度が悪いなど、どうしても共に働きたくないパート従業員がいる場合には、契約が満期終了する30日以上前に経営者側から、「契約更新を行わない」旨をそのパート従業員に伝えておきましょう。
 明確な表現をもって書面により通知しておけば、解雇予告手続きを行ったことになり、そのパートを雇止めすることができます。

 では、雇い入れる際に契約期間を定めていないパート従業員に対しては、どのように解雇すべきなの
でしょうか?

解雇前に双方が納得のいく解決法を

 期間の定めのないパートも、正社員と同様に客観的かつ合理的な理由があり、さらに社会通念上相当
(社会一般の常識に適っている)と認められなければ解雇はできません。たとえば、あらかじめ会社の就業規則に定めてある『解雇事由』に当てはまる場合は、改善指導を尽くすなど、適切な手続きを取って解雇することができます。この就業規則は、前もって全従業員に知らせておく必要があります。
 また、経営不振による人員削減のための解雇には、いくつかクリアするべき要件(要素)があります。

(1)人員整理の必要性
(2)解雇を回避する努力をしている
(3)被解雇者の選定が客観的で合理的な基準によってなされている
(4)労働組合または労働者に対して事前に説明し、納得を得るよう協議を行っている

 上記の4つの要件(要素)を満たしていない場合には、解雇は無効となります。
 いずれにしても、パート従業員を解雇する場合にも、正社員と同じく解雇のハードルは高いと考えておくべきです。まずはきちんと話し合い、双方が納得のいく解決法を探しましょう。

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