【労務ワンポイントコラム】 4ページ 労使紛争の防止に必須!労働契約書の重要性や注意点とは?

近年、労働者が会社に対して権利を主張するケースが増えてきました。労使紛争を未然に防いだり、発展したとしてもトラブルを最小限に抑えたりするためには、会社側の労働契約に関する知識が不可欠です。そこで今回は労働契約書の重要性や注意点について紹介します。

労働契約書に必ず明示するべきこととは?

 労働者を採用するときに、会社と労働者が締結するのが『労働契約』です。勤務時間や休日、有休日数などの労働条件について合意をしたら労働契約が成立し、それを基に『労働契約書』を終結します。この労働契約書は類似用語で『雇用契約書』とも呼ばれます。内容は概ね同じです。
 『労働契約書』は使用者と労働者双方が署名捺印するものですが、労働条件について会社が明示し、一方的に労働者に対して交付する書面のことは『労働条件通知書』と呼びます。労働契約書と労働条件通知
書を別に作成する会社もありますし、一つにまとめて作成している会社もあります。
 後日、労働条件で会社と従業員がもめたときには、労働契約書は重要な証拠としての役割を果たします
ので、しっかりと作成しておかなければなりません。

 労働契約書のなかで必ず記載しなければならないのは以下の項目です。

●契約期間
●就業場所・仕事内容
●勤務時間(始業・終業時刻)
●休憩時間・休日や休暇について
●所定時間を超える労働の有無
●賃金額と計算方法
●賃金の支払方法
●退職に関する事項
 これ以外に、定めがあれば記載した方がよいのは以下の項目です。
●昇給に関する事項
●退職手当について
●臨時に払われる賃金や賞与
●安全衛生に関する事項
など

労働契約書を作成する際の注意点

 このほか、労働契約について押さえておきたい注意点があります。
●労働基準法に違反している契約
 たとえば、最低賃金に満たない時給を労働契約書に書いた場合、労働基準法に反するため無効です。労働基準法に反する内容になっていないか、確認しましょう。

●就業規則と労働契約書の優先順位
 就業規則と労働契約書の労働条件が異なる場合があります。そのときは、就業規則の内容が優先しますので、就業規則の内容は現実に則しているかを確認する必要があります。

●有期契約の『更新』
 労働契約でトラブルになりやすいのが、有期労働者に対する雇い止めです。雇い止めのトラブルを防ぐため、有期労働者の労働契約書には『自動更新』『更新することがある』『更新しない』など、更新の有無に関する文言を記載しなければなりません。
 また、更新する場合には、更新の有無をどのように判断するのかという判断基準も具体的に明示する必要があります。会社の経営状況により判断する場合もありますし、労働者の能力や勤務成績により判断する場合もあるでしょう。重要なことは、あらかじめ明示して労働者の合意を取っておくことです。

 労使紛争を防ぐためには、労働契約に関する基本的な知識と労働契約書の作成が重要です。一度、自社の労働契約書を見直してみてはいかがでしょうか。

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