【労務ワンポイントコラム】 4ページ 就業規則によるトラブルを防ぐ 押さえておきたい注意点とは?
常時10人以上の労働者を雇用するときには、就業規則を作成することが義務づけられています。しかし、従業員がその内容を知らなかったり、記載しなければならない内容が漏れていたりすると、トラブルになりかねません。そこで、就業規則を改めて見直してみましょう。
周知されていない就業規則は無効に
労働者は『雇われている』ということから、一般的に雇用者よりも立場が弱くなってしまうものです。そのため、労働者の権利については憲法で『賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める』と規定されています。ここで書かれている『法律』というのが労働基準法となります。これはどういうことかというと、労働基準法よりも条件の悪いルールを就業規則に定めたとしても、無効になるということです。
また、就業規則は従業員に周知をしなければ効力が発生しません。労働基準法では就業規則を作成して
いる会社は、従業員に対して周知しなければならないと定められています。
これはすでにある就業規則を変更した場合も同じです。周知は、以下の方法があります。
●オフィスや作業場など、事業所の見やすい場所に掲示する、または備え付ける
●書面で従業員に交付する
●電子的データで記録し、従業員がいつでも見られるように、事業所に就業規則を閲覧できるパソコンなどを設置する
就業規則が変更になった場合も、従業員がいつでも閲覧できるようにしておくことが必要です。
就業規則に必ず記載する内容とは?
就業規則には、必ず記載しなければならない『絶対的必要記載事項』と、記載は任意となる『相対的必要記載事項』があります。就業規則を自社で作成する場合、両者の区別があいまいになって記載漏れが起きる可能性もあります。
絶対的必要記載事項には、次のようなものがあります。
●休日休暇制度・労働時間・賃金・定年・解雇となる条件
現在運用されているにもかかわらず、就業規則に書かれていない制度はないでしょうか? 相対的必要記載事項については必ず就業規則に書かなければならないものではありませんが、取り決めをしたのであれば記載しておいた方が無難です。
相対的必要記載事項には、次のようなものがあります。
●退職金・ 賞与など臨時の賃金・食費、作業用品などの負担に関する事項・ 安全衛生・職業訓練・災害補償、業務外の傷病扶助・表彰、制裁
絶対的必要記載事項や相対的必要記載事項に当てはまりはしないものの、会社として大事にしている慣習やルールがあるかもしれません。たとえば、接客業であれば、『お客に応対するときには、○○○の服装が望ましい』シフト制の会社であれば、『休みを希望する場合は○日前までに申告してほしい』といったようなことです。
こうした細かいルールであっても、明確に記載した方が会社としてうまく運用できるという場合は、就業規則に記載しておくことも大切です。
就業規則をきちんと作成していないと、あとから従業員とトラブルになりかねません。不要なトラブルを防ぐため、今一度就業規則について確認しておきたいところです。
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