【社長が知っておきたい法務講座】 5ページ 会社のデザインが盗まれる!?知っておきたい『知的財産』の基本
知的財産に関わるトラブルは日々起こっています。たとえば、人気店のロゴが盗用され、全く関係ない店が同じ系列だと誤認される例などはよく耳にするでしょう。こうしたトラブルは決して他人事ではないため、知的財産の基本を確認しておきましょう。
知的財産権にはさまざまな種類がある
知的財産権には、以下のような種類があります。
●特許権
発明(自然法則を利用した技術的な創作)を保護する権利です。物の発明、方法の発明、物の生産方法の発明という3種類があり、原則、出願から20年間保護されます。
●実用新案権
考案(特許権で保護されるほど高度ではない創作)を保護するものが実用新案権です。出願から10年間保護されます。
●意匠権
たとえば、スマートフォンやパソコン、テキスタイルなど、物品あるいは物品の部分における形状・模様・色彩に関するデザインを保護する権利です。出願から20年の保護期間があります。
●商標権
会社のロゴマークや商品のマークなどを保護する権利です。登録から10年の保護期間がありますが、10年
ごとに更新することができます。
●著作権
論文、小説などの文章や絵画、音楽、映画などの創作的な表現物を保護する権利です。創作時から著作者の死後70年が原則として保護期間となっています。
ほかにも植物の新品種の育成者権、ノウハウ・顧客リスト等の営業秘密なども知的財産権として保護の
対象となります。
思わぬトラブルに注意!知的財産権の侵害例
知的財産権の侵害でよくあるのが、意図的に社名やロゴを酷似させるケースです。顧客が誤認して偽物
の商品を購入してしまうことで、社名やロゴについての知的財産権を持っている会社の売上が下がるなど、経済的な影響が出ることがあります。この場合、権利を侵害された会社が、侵害した会社に対して損害賠償を請求することがあります。
また、知らずに知的財産権を侵害してしまうケースもあります。たとえば、イベント告知をしたところ、そのイベント名がすでに商標登録されており、知的財産権者から『イベント名を変えてほしい』といった請求が来るケースです。知的財産権は排他性のある強力な権利とされているため、その侵害に対しては、実害の有無を問わず、『その知的財産をこれ以上使用しないでほしい』という差し止め請求が行われるのです。
このほか、ある会社から突然『ロゴマークが弊社の知的財産権を侵害しています』という封書が届いたものの、どう考えても自社のほうが古くからロゴマークを使用しているというケースもあります。
この場合、相手の会社が商標登録を済ませていれば負けてしまう可能性もあります。知的財産権を保護
するには登録手続きが必要です。たとえば、社名を保護したい場合には、特許庁に対して商標権の出願と
いう手続きを取らなければなりません。
さらに、知的財産権の侵害は刑事罰に当たることもあります。侵害の内容にもよりますが、重いものでは、懲役刑も設定されています。思わぬトラブルにならないよう、事業を行う際は他社の権利を侵害していないかどうか、事前に調査することが欠かせません。自社の権利保護のために特許庁へ必要な手続きを行うことも大切です。
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