【経営トピックス】 1ページ 従業員が逮捕されてしまったら、会社はどのような対応を取るべき?
経理担当者が社内の資金を横領して逮捕されるニュースは繰り返し世間を賑わせますが、従業員が逮捕されたとき、会社としてどのような対策を取ればよいのでしょうか。対応を間違えると会社もダメージを負いかねません。今回は、そのような場合の対策法について解説します。
会社が対応するべき事柄やタイミングとは?
まず知っておきたいのが『刑事裁判において有罪が確定されるまでは無罪と推定される』という推定無
罪の原則です。刑事裁判では検察官が『被告人が有罪であるかどうか』を立証しますが、立証ができない場合は有罪とすることができません。そのため、従業員が逮捕されたからといって早々に犯罪者として扱うと、無罪になったときに訴えられるリスクがでてきます。
そこで、おすすめしたいのが刑事事件の流れを知ることです。会社が対応するべき事柄やタイミングがわかるからです。刑事事件は、次のように進みます。
●犯罪が発生し、警察による捜査が開始する
●被疑者が特定され、警察によって逮捕される
●逮捕後48時間以内に検察庁に送検される
●検察官によって最大24時間捜査が行われる
●検察官が必要だと判断した場合、勾留請求がされる(最大20日間)
●起訴・不起訴の判断がされ、起訴された場合は刑事裁判にうつる
●刑事裁判にて有罪判決または無罪判決などが出る
このなかで重要なポイントが、逮捕後48時間以内に検察庁に送検され、検察官によって最大24時間捜
査が行われるという最大72時間の部分です。この間に勾留が必要ないと判断されれば、検察官から身柄
を解放されます。しかし勾留請求されてしまうと、さらに10日間、最大20日間は身柄を拘束されるのです。
会社としては、できるだけ勾留請求を避けて従業員の身柄を解放させたいところです。そして、本人から話を聞いたり、事実関係を確認したりしてできるだけ早めに状況を把握したいものですが、この間はたとえ家族であっても面会ができません。ただし、弁護士は面会が可能です。早期解決のためにも、いかに早く弁護士を手配できるかが一つのカギになってきます。
逮捕・勾留された従業員を解雇する場合の注意点とは?
逮捕や勾留によって身柄を拘束されている間、従業員は会社を欠勤することになりますが、この際の処理については単に欠勤扱いとして処理する、または有休消化という形をとる会社が一般的です。
では、逮捕された従業員を解雇できるのでしょうか。会社としても、従業員が逮捕されるのはかなり大きな出来事です。周りの関心を引きますし、容疑の凶悪性が高ければ、従業員だけでなく会社の評判も落としかねません。
そこで、できるだけ早い段階で従業員を解雇してしまい、『会社とは関係ない』というスタンスをとりたいと考える会社もあるでしょう。ただ、有罪が確定しない段階で解雇などの懲戒処分を行ってしまうと、無罪判決が出た場合に不当解雇だとしてトラブルになる可能性もあります。
ポイントとなるのは、就業規則に定めている解雇事由です。就業規則を作成している会社であれば、どのようなときに懲戒処分ができるかを明記しているのが一般的です。就業規則と照らし合わせて整合性が
とれる段階で懲戒処分を行うことが無難です。
従業員だけでなく、役員が刑事事件に巻き込まれたときには、会社の初動はとても重要になります。万が一のときにスムーズに対応できるよう、リスク管理をしておきましょう。
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