【社長が知っておきたい法務講座】 5ページ 顧客からのクレームに対して企業が取るべき対応とは?
事業を経営していると、どうしても顧客からのクレームは避けられません。謝罪対応で解決すればよいですが、なかには契約解除や損害賠償など、法的な要求を突きつけられることもあります。
では、企業はクレームにどのような対応を取ればよいのでしょうか。
初動に適切な対応をとるのがポイント
クレームや何らかの不祥事を招いてしまった場合、企業はどのような対応をとればよいのでしょうか?
この点、重要なのは一次対応だといわれています。クレームがあったとしても、一次対応でじっくりと顧客の声に耳を傾け、適切な対応を取ることができれば、そこで収まることも多いからです。
また、ネット上にクレームが拡散された場合でも、適切・迅速に対応することによって『信頼できる企業だ』という高い評価を得ることもできるでしょう。
しかし一次対応の仕方を間違ってしまうと、さらに大きなクレームに発展してしまうおそれもあります。では、一次対応を行うときには、どのようなことを心がければよいのでしょうか?
穏便に済ませようと考えたとき、最初に謝罪を述べる方法が最善のように思えます。しかし、謝罪は『不快な気分にさせてしまったこと』『不便をかけてしまったこと』に対してのみにとどめ、まずは事実関係や客観的な証拠を確認することが先決です。なぜなら、事実を把握していない段階で謝罪をしてしまうと、やり方によっては『企業側が自分たちの非を認めた』と受け止められかねないからです。
万が一、顧客側が悪質なクレーマーだった場合には、揚げ足を取られて法外な要求をされる可能性もあります。
悪質なクレームや誹謗中傷への対応策とは?
以下、悪質なクレーマーへの対応策を紹介します。
・メディア運営者に投稿の非表示を要求する
企業側にクレームをいうのではなく、SNSなどに一方的にクレームを書き込まれるケースもあります。この場合、SNSサービスの運営者に「発信を削除してください」と請求する方法を取ります。これを『送信防止措置依頼』と呼びます。運営者が要求に応じてくれない場合は、裁判所を通じて仮処分の申立などの手続に移ることになります。
・該当者を突き止めて法的措置を取る
SNSへの書き込みが悪質なため、何らかの措置を取るときは、書き込みをした本人を特定する必要があります。この場合は、運営者とインターネットプロバイダ会社に対してユーザー情報の開示請求を行います。
・警察に被害届を提出する
従業員が暴力を受けたり、商品の値引きを強要されたりした場合、相手の行為が偽計業務妨害や暴行罪、恐喝罪などの刑事罰に該当することがあります。
企業としては毅然な対応をし、理不尽な要求には屈しないという対外的アピールの意味も込め、警察に被害届を提出することも考えておきたいところです。
・文書で最後通告を出す
解決方法を提示して一定期間催促しても相手方から返答がないときは、『返答がない場合は〇〇〇で進めさせていただきます』という最後通告を文書で出し、事態を収束させるという方法も考えられます。
企業側のダメージを最小限にとどめるためにも、対応方法については前もって押さえておきましょう。
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