【経営なんでもQ&A】 7ページ 事業をやめたあとも、会社をそのまま残しておいていい?

Q 新しい事業に進出するために、今ある会社の他にもう一つ会社を作りました。
しかし、事業計画が変わり、事業をやめることになりました。今後また別の事業をする可能性があるので特に何の手続もしていませんが、会社を解散した方がよいでしょうか。このまま残しておくと、何か困ったことになりますか?

A 事業をやめた会社については、廃業または休眠の手続を取っておくのが賢明といえます。実態として事業活動を行っていない会社でも納税義務は発生し、決算や申告も行わなければなりません。また、事業を行わないまま放置していると『みなし解散』の登記がなされ、過料を取られることもあるので注意が必要です。

事業を行わないまま放置していても最低7万円のコストがかかる

 廃業も休眠もせず、単に事業を行わないまま会社を放置していた場合、対外的にその会社は普通に存
続している状態となります。事業を行っている一般的な会社と同じように決算の申告義務が発生し、さらに、法人住民税も納税しなければなりません。
 法人住民税は個人の市県民税と同じ意味合いで、都道府県民税均等割と市町村民税均等割を合わせた税金ですが、最低でも年間7万円は納税しなければなりません。こうしたコストを抑えるためにも、これまで
行っていた事業を何らかの理由によって辞めるときには、廃業または休眠という手続をとるのが一般的です。

 廃業とは、会社を解散して清算することです。今後一切事業を行わないことが明らかな場合は、会社を
解散して清算した方が、余計なコストがかかりません。
 ただ、また事業を再開しようとしたときには会社を設立するところから始めなければならないため、今後事業を行う可能性があるかどうかがポイントになります。

 休眠とは、会社はそのまま残しつつも事業は停止することです。休眠するときには、税務署、都道府県税事務所及び市町村役場に『異動届出書』と呼ばれる書類をそれぞれ提出します。廃業ではなく休眠にしておけば、後で事業を再開するときにも手間がかかりません。

登記せず12年間放置すると『みなし解散』となる危険性も

 会社を休眠したとしても、定期的に役員変更登記を行わなければなりません。会社法で『登記事項に
変更があったときには2週間以内に変更登記をしなければならない』と定められていますが、それは休眠
会社であっても同じです。また、事業を行っていなくても、2事業年度連続して決算や申告の提出をしな
かった場合、青色申告の承認が取り消されてしまいます。
 さらに注意したいのが『みなし解散』です。株式会社の場合、最後の登記から12年間放置していた場合、休眠会社とされます。そして、法務局からの『2カ月以内に事業を廃止していないなどの届出をしなければ、みなし解散の登記をします』という通知に従わない場合は、法務局の職権で解散登記がされてしまうのです。
 ただ放置するのは得策ではありません。今後の事業展開を考えたうえで、廃業か休業かを判断しましょう。

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