契約書の前文はどのような意味があるの?
契約書の前文は、どのような意味があるのでしょうか。
契約当事者と契約対象の特定
前文においては、まず契約当事者を特定し、これを「甲」、「乙」などと定義することになります。
前文を置いて、当該契約に拘束される当事者名を明らかにする意味があります(「契約当事者」の特定)。
また、対象となる取引の概要を示して、どういう内容の書面を締結しようとしているのか、明らかにする意味があります(「契約対象」の特定)。
この点、同一当事者間で取引ごとに条件の異なる複数の契約が締結されることがありますので、当該契約がどの範囲の取引に適用されるかを特定することは重要な意義を持ちます。
契約の対象となる取引を特定するにあたっては、取り扱われる商品やそれを取り扱う社内の部署などを明記し、適用範囲をできる限り明確にしましょう。
契約日及び契約発効日の特定
通常、契約の効力発生日は契約締結日であることが多いです。
但し、効力発生日を契約締結日よりも後日にする合意も可能です。
この点、一般的には、前文において「本日、契約を締結した」と簡単に記載して、末尾にその締結日が記入されることが多いですが、英文契約書などにおいては、前文に契約日や契約発効日を具体的に記載する例が多いです。
このような場合、前文には、契約日及び契約発効日を明らかにする意味があります。
契約に至る経緯
前文において、当該契約に至る経緯や動機、両当事者の基本的な立場等について記載される場合があります。
これらの記載は、直ちに法的拘束力をもつことはありません。
但し、契約書本文中の文言の解釈や契約の効力について争いが生じた場合、解釈指針として機能する点で意味があります。
また、前文に当該契約を締結する当事者の動機が記載されていれば、仮に、後日、当該当事者が錯誤の主張をする場合に動機が表示されたものとして解される可能性もあります。
このように、前文に解釈指針としての意味があります。
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