システム障害時の免責条項による備えは?
システム開発を行うにあたってはユーザー(システム開発を委託・発注して商品を使用する人)とベンダー(受託・受注してシステムの開発を行う業者)が契約を締結します。
では、システム障害が発生した場合、どのように対処すればいいでしょうか。
例えば、「システム障害による賠償責任は一切負わない」という規定があった場合、このような規定は有効になるのでしょうか。
免責条項の規定は有効?
システムの障害によって契約内容を実現できない場合には、その部分について損害賠償責任が認められる場合があります。
システム障害で賠償が問題となったケースとしては、インターネット接続業者からインターネットへの回線接続のサービスとウェブスペースのレンタルサービスを利用していた企業の例があります。
このケースでは、契約時に業者からユーザーに交付される約款に、障害によって一定期間インターネットに接続できない状況となった場合に接続できない期間に応じた利用料分を控除する以外には、業者側は損害賠償の責任を負わないとする免責条項が置かれていました。
しかし、判例は、この条項を限定的に解釈して、業者側に損害賠償責任を認めました。
但し、このケースでは、企業側にもデータのバックアップをとっていないという落ち度があったため、賠償額が減額されています。
上記より、システム障害による損害賠償については、
①約款上免責条項があったとしても、そのままその条項の内容が通用するとは限らない、
②システムの再構築費用だけでなく、システム障害が生じたためにユーザーが得られなかった営業利益分も損害額として考慮される、
③ユーザー側にバックアップをとっていないなどの落ち度がある場合には、賠償額が過失相殺(請求者側にも落ち度がある場合に賠償額を減額すること)により減額されることがある、
ということが言えると考えられます。
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