【経営なんでもQ&A】 7ページ  「労災」に当てはまらない傷病で 勤務が難しくなった場合、 どうすれば従業員の生活を 守ってあげられるの?

Q 従業員が病気になって勤務継続が難しくなってしまいました。「労災」の対象にならないようなのですが、従業員に不労給与を与えるわけにもいかず、かといって見放すこともできずに困っています。どうすればよいでしょう…?

A 病気や事故の原因が業務上でのことなら、労災という制度が適用されますが、このケースのように労災に当てはまらない場合には「傷病手当金」を検討してみてはいかがでしょうか。

「傷病手当金」は、会社員や公務員に対して健康保険組合から支給される生活援助金です。月給の約2/3が最長で18カ月、支給され、従業員の生活を支援することができます。対象となるのは、健康保険(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合)などに加入している従業員です。
 なお、業務上や通勤途中にケガをしたり、仕事が原因で病気になったりした場合は、傷病手当金ではなく、労災の対象となります。家からスーパーに買物に行くときにケガをしたなら傷病手当金に、通勤中だったなら労災に、というわけです。

 傷病手当金の支給条件は、以下の4つ。

①仕事以外での病気やケガのために入院、または自宅療養している
②今まで従事していた業務ができない
③最初に3日間連続で休み、4日目以降も就労ができない
④休業した期間に、給与の支払いがない
 これらすべてを満たしたときに支給されます。

①仕事以外での病気やケガで療養している場合に支給されます
 療養には「自宅療養」も含みますので、入院していなくても傷病手当金は受け取れます。また、保険外の診療(自費診療)でも、仕事につけないという医師の証明があれば支給対象になります。美容整形など、病気やケガと認められないものは、支給対象外です。
②病気やケガのために、それまでやっていた仕事ができない場合(「労務不能」の状態)に支給されます
「労務不能」の状態になっているかどうかは、それまで従事していた職種や業務不可を考慮し、医師の意見をもとに判断されます。
③休み始めた最初の3日間は「待機期間」といわれ、傷病手当金は支給されません
 連続して3日間休んだら待機期間が成立(待機完成といいます)し、4日目から、傷病手当金が支給される手順を進められるようになります。「連続して3日休む」というのがポイントで、待機期間の3日間は、有給休暇、公休(土日祝などの休日)、欠勤など、いずれの休み方でも休みとしてカウントされます。とにかく3日間連続して休めば待期期間は成立します。
④「療養中で給与がもらえない」期間の生活費を保障するのが手当金。有給休暇を使うなどして給与が出ている場合には支給されません
 ただし、休業中の給与の額が傷病手当金の額よりも少ない場合には、差額をもらうことができます。健康保険に加入していても、退職後の任意継続被保険者※である期間に発生した病気やケガで療養している場合は、傷病手当金の支給対象にはなりません。

※一定条件を満たせば、退職後も最長2年間、引き続いて健康保険に加入できる制度のこと いかがですか? 会社員の生活を支えている経営者にとっては、心強い制度ですね。従業員が不意にけがや病気になったからといって落胆せずに、傷病手当の道がないか検討してみましょう。

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